2008年9月21日日曜日

真実という多面体――マイケル・ミルケン氏

マイケル・ミルケン氏といえば、1980年代の米国で起きた、証券詐欺の首謀者として有名だが、『世界を変えるビジネス』にも、登場する。ここには、ジャンクボンドで巨万の富を得た“ジャンクボンドの帝王”のもうひとつの側面が、あるいは、側面のうちのひとつが明らかになる。

共同で立ち上げたミルケン・ファミリー財団は、スラム街の問題解決、がん治療などに資金を提供しているし、その後立ち上げた前立腺がん財団は、この研究に資金を提供する最大の民間財団だ。

証券詐欺を取り扱った本しか読んでいない読者にとっては、ミルケン氏はとんでもない悪党、ということになる。

世の中には、こういうことが、多分たくさんあるのだろうと思う。人には多くの側面がある。あるいは多くの側面を持つ人もいる。ひとつの方向のみを扱った情報を得たときは、それ以外の方向も見たほうがいい、ということだろうか。

「金融資本の国際的な民主化」は、彼が生涯をかけて取り組む決意をしたテーマだ、ともある。

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