2008年8月31日日曜日

コンピュータネットワークと民主主義

世界政府ができるとしたら、そのシステムを作るのはわれわれだ、と Google が言ったとか言わないとか。

ありそうな話だ。

インターネットが当たり前になる以前の世界では、多数決で決める、これが民主主義だ、と言われても、ぴんとこなかったが、今なら納得できる。コンピュータネットワークによる多数決は、まったく、容赦のない民主主義だ。いい面も悪い面も、容赦がない。都合のいいものも悪いものも、情報はすぐ世界中に広まる。隠しようがない。

しかし、ちょっと考えてみる。本当にそうなのだろうか。誰かにとって都合の悪い情報を、誰かが明らかにしたとする。両者が持っている技術力、人的資源、などなどに差があった場合、パワーのあるほうがないほうを圧殺するのはいともたやすいのでは?

とすると、世界はそれほど以前と変わっていないわけだ。ただスピードが速くなっただけ。

2008年8月24日日曜日

そろそろソックスのほしい季節、iPhone 3G 用足袋

エキゾチックなガジェットケース、なんでしょうね、米国では。

着物のはぎれでできた iPhone 3G 用足袋。十種類のデザインあり。

最近 iPhone 関連ガジェットに夢中の友人が教えてくれた。

日本の方が先行しているはずだった携帯電話関連分野、こういうのを見ていると、ちょっとやばいかな、と思ったりする。ケースごときでおたおたしても始まらないが、いつも使うガジェットであるので、マニアしか使わない高機能、多機能より、普通の人が、わかりやすく使いやすいほうが勝ちだ。もちろん、おしゃれなケースもたくさんあったほうがいい。

2008年8月17日日曜日

夏休みの収穫

ちょっとまとまった夏休みがとれたので、初日に近所の図書館に駆け込んだ。

目当ては気の張らない三文翻訳ミステリだ。くたびれた文庫の本棚の二三百の本の前でしばし、呆然とする。が、たいていは五六年かけて読んだものばかり。すでに読んだ本でも、読んだことがあるのを忘れて借り、失望することが多いので、要注意。本を選んでいると、終いには頭痛と腹痛に襲われる。

結局六冊を選んだ。

キャロリン・G・ハート『死の散歩道』:昔読んだような気がするが、ほとんど忘れているので、読書に影響なし。単なる暇つぶし。
キャロリン・G・ハート『手紙と秘密』:まあまあ。単なる暇つぶし。
クレイグ・スミス『レディ・スティンガー』:クレイグ・ライスと間違えた。が面白かった。ウエットでないのがいい。
ジョージ・ハラ『悩み多き哲学者の災難』:インテリぶったところが、ちょっといやみ。まあ面白い。
I・マキューアン『愛の続き』:面白くなさそうだったので、最後に回したが、やっぱり面白くなかった。気取りすぎ。

とっても面白かったのは、ケン・ブルーウン『酔いどれに悪人なし』だ。

夏休みの収穫はこれだ。勝手に事件が起きて、勝手に進行し、勝手に解決されちゃう。元警官の私立探偵がアル中を克服する。さまざまな本からのたくさんの引用。たっぷりのユーモア、悪人が死に、善人も死に、残された探偵は長年の夢だったロンドンに行く。

2008年8月12日火曜日

マーケティングマシン

Apple のマーケティングマシンは今でも、有効に動いているようだ。

価格競争よりも、使いやすさとユーザーの自尊心をくすぐる美しいデザインで勝負する、というのが、要だろうか。IBM Intel 互換 PC(時代を感じるほど古臭い言い回しになってしまったが)が、単なる職場の備品になってしまった現在、ますます Mac ユーザーは、自尊心をくすぐられ、何があろうと、Mac ユーザーであり続けるだろう。

という、しゃちほこばった話はともかく、マーケティングマシンで一番大事なのは、ユーザーとのコミュニケーションだな、と思う。どんなビジネスであれ、どんな製品であれ、どんなサービスであれ、ユーザーを大事にし、いつもあなたのことを気にかけていますよ、というメッセージを発しようという態度があれば、成功する確率は高いんじゃないでしょうか。

なんでそういうことを思いついたかというと、X-Patriate こと Alan Lipman だ。

LastFM で知り合った人が教えてくれた、ちょっと変わった音楽で、聞いているうちにだんだん良くなってくる。私の2008年の思い出になりそうな勢いだ。それで、LastFM の X-Patriate アーティストページに書き込みをしたら、即座に私の英語 Blog に書き込みのお返しがあった。

これだけで、もう私は一生 Alan Limpan のファンだ。

ユーザーサポートを怠らないこと。誰もが最初は熱心にやるが、サイトが大きくなるにつれて、企業規模が大きくなるにつれて、忘れるのがこれだ。

あるいは、あまりに暇だったから?


2008年8月3日日曜日

二人のミスマープル

アガサ・クリスティの原作によるテレビドラマ、ミスマープルシリーズは、知る限り、二つある。

ひとつは、ジョーン・ヒクソン主演のもの。白髪を丸髷に結って、いかにもイギリスの独身おばあさん。
頭脳明晰、冷静沈着。若いころの話は一切出ない。

もうひとつは、ジェラルディン・マクイーワン主演のミスマープルで、少々色っぽい。髪型もちょっと眺めのおかっぱで、かわいらしい帽子をかぶって、素敵なカーディガンを羽織っている。

が、素敵なのはここまで。若いころ、不倫相手に死に別れた、という湿っぽいエピソードが、これ見よがしに入って、これでは、頭脳が明晰に働かないのではないか、と心配になってしまう。

どうして、こういう余計なストーリーを入れるのだろう。ミスマープルことジェーンが、独身を通したのが、そんなに気になるのだろうか。