2014年8月30日土曜日

猫サンクチュアリ年代記2 1:年をとった大黒丸


大黒丸は年をとった。ソックスがいなくなってから急におじいさん猫になった。大黒丸は黒猫だが、黒い毛に白髪も混じり、やせて、性格も穏やかになった。皮膚病になったり、風邪を引いたりすると、Mさんから薬をもらっている。

2014年の5月にもひどい風邪を引き、食欲がなかったが、Mさんから風邪薬をもらって、1週間ほどで回復した。

今年の夏は暑さが厳しく、夜になってもほとんど気温が下がらず、湿気もひどく、外で過ごす猫にとっては最悪の環境だった。8月の末になってようやく涼しくなったが、急に気温が下がり、、また風邪を引いた。

大黒丸の周りには今、ミー子、シロ、カイ、ヘンリエッタがいる。
2014 Aug. 30


2014年8月23日土曜日

猫サンクチュアリ年代記 21:その後の猫サンクチュアリ


ソックスがいなくなった後、大猫サンクチュアリに一人残された大黒丸は、どうなっただろうか。

小猫サンクチュアリのトミーは、黄一郎がいなくなっても元気だろうか。

2014年も夏の終わり、大黒丸の周りには、ミー子、シロ、カイ、ヘンリエッタがいる。
トミーも、最初は険悪だった茶々と、次第に仲良くなりつつある。

来週から、タイトルを改め、「猫サンクチュアリ年代記2」として、彼らのその後の様子をリアルタイムで書いていきたい。

ひとまずは、これでおしまい。


2014年8月16日土曜日

猫サンクチュアリ年代記 20:黄金色の黄一郎


黄一郎に初めてあったのは、2004年の春ころだっただろうか。

それまで、自転車置き場の大猫サンクチュアリでしか給食していなかったが、夫が、小学校の門の辺りにかわいい猫がたくさんいるみたいだ、と言ったので、行ってみた。

黄一郎は山吹色の美しい縞の、一歳に満たない雄猫だった。耳に去勢済みの印のピアスをはめていた。育ての親のマリと暮らしていたが、10月にトミーが登場してからは三頭の家族になった。

コゼットが登場するのは2005年5月だ。そのころはマリはもういなかった。コゼットは黄一郎にとっては家族ではなかったのだろうか。コゼットを追い掛け回すのを何度か見た。近くでトミーが心配そうに見ていた。しかし、ときどき追い掛け回すくらいでそれ以上の意地悪はしなかった。

金茶が現れてコゼットのいなくなる2012年3月まで、なんとなく、小猫サンクチュアリは黄一郎が中心だった。

2007年の秋から冬にかけて、ぜんぜん見かけなくなったので、心配していたが、数十メートル離れた殺風景な二階建てアパートの砂利時期の前庭にトミーと二頭でいるのを見かけて安心したことがある。それからまた、2013年の9月まで、小猫サンクチュアリに行くと、必ずと言っていいくらい、黄一郎がいた。

2012年ころから、黄一郎の毛が薄くなり始めた。汚い毛が全部落ちて、やわらかいがあまり防寒には役に立ちそうにないふわふわの毛になった。2012年の冬は越せないかもしれないと思っていたので、冬を越し、2013年の春にも元気だったので、うれしかった。

だが、2013年の9月から、さっぱり姿を消した。

黄一郎は、人間の私たちには愛想のいい猫だった。病気で苦しそうだったり、不機嫌だったりだったことは一度もない。

寒い冬は特にひざに乗るのが好きだった。最後の二三年は、夏の暑いときもひざに乗ってきた。体温が落ちていたのかもしれない。

九年の歳月、小猫サンクチュアリの黄一郎の周りは、黄金色の毛皮で明るく照らされていた。


2014年8月9日土曜日

猫サンクチュアリ年代記 19:美少女コゼット


コゼットが小学校裏門あたりの小猫サンクチュアリにやってきたのは、2005年の5月、大迫害の始まる前だった。そして、2012年3月を最後にいなくなった。

コゼットは、やってきたときはまだ生後半歳くらいだったが、もう妊娠していたので、6月にMさんが避妊手術を受けさせてくれた。

コゼットはほぼ全身黒トラのものすごい美少女だった。トミーがよく面倒を見ていたが、トミーと中のいい黄一郎はそれが気に入らず、よくコゼットをいじめていた。トミーは自分が子猫のとき面倒を見てくれた黄一郎がとても好きだったので、困っただろう。

それでも、それから7年近くの歳月を、トミーと一緒に過ごすことができた。美少女だったコゼットも、まるまるしたおばさん猫になった。

コゼットがいなくなったのは、金茶が現れたからだ。

2012年2月ころ現れた金茶は、がっしりした威勢のいい金色のトラ縞の雄の成猫で、尻尾がなかった。三毛猫の妻と娘たちを引き連れてやってきた。自分の家族を守るためだろう、トミーや黄一郎を追っ払おうとしていた。

トミーや黄一郎はがんばったが、コゼットは去勢していない大人の雄には勝てなかったのだろう。2014年になって金茶はまた、どこかに移動したらしく、みかけなくなった。コゼットが帰ってくるといいのだが。

写真は小雪


2014年8月2日土曜日

猫サンクチュアリ年代記 18:白い手のソックス


また、自転車置き場の大猫サンクチュアリに戻ろう。

以前書いたように、2010年の冬に小雪が死んだ後、当初のメンバーで残ったのはソックスと大だけになった。そして、ソックスも2011年6月にいなくなった。姿を見たのは6月12日が最後だ。

ソックスは、数年前から口の具合が悪く、苦しんでいた。それが口内炎だと知ったのは、ソックスの死後、自宅の猫が口内炎になったからだ。

ご飯を食べているとき、ソックスが突然痛みで叫ぶことがあったが、どういうわけか、雪が起こってソックスを平手打ちしていた。つまり、ソックスは雪がまだ元気なころから口内炎にかかっていたのだ。

大と二人っきりになってからは、一気に具合が悪くなったような気がする。私と M さんは、獣医からもらった一番弱い抗生物質を、缶詰にくるんであげていたが、缶詰を食べられる日もあれば、そうでない日もあり、私たちはソックスの食欲に一喜一憂していた。

ソックスに会える日が残り少ないことをうすうす知ってはいたが、いなくなる前の日まで、がんばってご飯を食べていたので、その日がソックスに会う最後の日だとはわからなかった。

ところで、大だが、ソックスと二人っきりになるまで、ソックスにやきもちを焼いてよくいじめていた。猫おばさんたちはそろってソックスが大のお気に入りだったからだ。ソックスは、ちょっと変わった色合いの黒トラで、手足の先が白く、まるでソックスをはいているようだった。それで、ソックスと言う名前がついたのだろう。

ソックスも大も、2002年にはすでに猫サンクチュアリのメンバーだった。たぶんソックスは元飼い猫で、捨てられた直後だったのではないかと思う。ほかの猫にチーズを揚げていると、藪の中に隠れて、にゃあにゃあないていた。

私は、若いときの、ぴかぴかした美しい毛皮のソックスも、毛が唾液でよじれてぱさぱさになったソックスも知っている。ちょっと変わった曲がり方をした長い尻尾も覚えている。

十年近い年月の間、ソックスに会ったのは、週末のほんの数十分だ。なのに、ソックスのことを思うと、どうしてこんなに心が痛むのだろう。

写真は黒雪