先週の日曜日のことである。例のごとく小学校の裏門脇でトミーをひざに乗せて座っていると、赤いヘルメットにピンクのシャツ、ズボン姿の十歳くらいの少女が、勢いよく自転車で現れた。
トミーを見て「かわいい」と言い、「触ってもいい?」と聞いた。
「慣れてない人だと怖がると思うよ」と答えると、「ふうん」と言った。
それでもしばらくトミーを眺め、「飼い主はここまで育てるのに大変だったでしょうね」と、大人ぶった言い方をした。
「トミーは自分で自分を育てたの」と言うと、わけがわからない風だった。
「この子はこのあたりに住んでいるの」と説明したが、それでも怪訝な顔をした。
また5分ほどトミーを眺めた後、「さよなら」と威勢よく自転車で去っていった。
その間、トミーはおとなしく私の脇に座り、じっと私たちの会話を聞いていたのだ。
かわいいトミー
2015 April 18 updated
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