ベランダに住み着いた蜘蛛の夫婦に、シャーリーちゃんとテンプル君と名前をつけた。
雨の多い季節になって、ベランダに這い上がってくるナメクジを食べてくれるのを期待していた。
ところが、長年暮らしてきた同居人が、蜘蛛恐怖症だと言うことを、初めて知ったので、名前をつけたことを言わずじまいになった。室内にいる胴の幅が1ミリくらいの小さい蜘蛛だと、まだ大丈夫らしいが、シャーリーちゃんもテンプル君も、幅5ミリくらいの、黒々とした立派な蜘蛛だ。
ある日帰ってみると、ベランダにあったシャーリーちゃんたちのネットが、跡形もなく、なくなっていた。同居人が掃除してしまったのだ。シャーリーちゃんたちは、どこかに逃亡したそうだ。
最近、ナメクジが出なくなったね、あの蜘蛛たちが食べてくれたんだろうね、と同居人は言うが、実は違うのだ。もちろん、少しは食べてくれたのだろうが、大半は私がティッシュにくるんでビニール袋に入れ、捨てていたのだ。
残酷な殺し方かもしれないが、仕方ありません。
今でも同居人は、シャーリーちゃん夫婦が、ナメクジを退治してくれたのだと信じているが、私はその誤解を解こうとは思わない。人生には、必要な嘘もあるよね。
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