2008年7月21日月曜日

カラス

カラスは頭のいい鳥だ、と人からも聞き、なるほどと納得する場面もいくつかあった。

昔、知り合いだった女性が、ベランダに来るカラスを口汚く追い払おうとしたら、逆にいじめられたとかいう話を聞いておかしかった。

以前、まだ明るいうちに猫の給食をやっていたころ、カラスも数羽、多分いつも同じカラスだったような気がするが、物ほしそうに待っていた。まさかカラスにまでおおっぴらにご飯を上げるわけには行かないので、時々、さりげなく猫用のドライフードを置き、猫たちをいじめないでね、とお願いしていた。

今年の春、家のベランダにカラスがやってくるようになった。ベランダに置いてある外猫さんようのご飯を食べに来るらしいのだが、ものすごい音とともに、ベランダの鉄の手すりに着地していた。

猫とカラスの大惨事は避けたかったので、カラスの来る時間には、ドライフードを引き上げるようにしていたら、二、三日後には来なくなった。

来なくなったが、なんだか申し訳ないような気がしてならない。こないでくれというこちらの気持ちを汲んで、空腹でもやってこなくなったカラスに同情してしまう。人間の気持ちを汲むほどに、あまりに利口だと、損をする。

と思ったが、カラスのほうが大局的なものの見かたができるのかもしれない。むやみと人間と敵対していると、カラス全体の生活が危うくなるのだから。