森茉莉は若いころ、ほとんど結婚直後にヨーロッパに行っているが、そのとき、ドイツの安下宿で出会ったというのが“ロシアサラダ”だ。
レシピというのは、豪華フルカラーの料理本より、単に文字で書いてあるほうが、興味をそそったりする。夜中に森茉莉のエッセイ(とでもいうべきもの)を読んでいて、明日の朝起きたら絶対作ろうと思った。
材料は、ジャガイモ、たまねぎ、にんじん、グリーンピースの缶詰、白身の魚。
ジャガイモとにんじんはさいの目に切り、ゆでて、白身の魚は蒸して、たまねぎはみじん切りにして、これらをドレッシングであわせる、とても簡単で、腹持ちのいいおいしい一品になった。
森茉莉氏の時代からは遠くなった21世紀であるので、ジャガイモとににんじんはレンジで蒸して、適当な白身の魚がなかったのでツナ缶で、グリーンピースの代わりにさやえんどうのぶつ切りだったが。フランスパンに赤ワインを添えれば、絵になるなあ、と思いつつ、食べた。