時々思い出す、小学校の同級生だった少年がいる。
特別仲が良かったわけでも、好感を持ったやつだったわけでもない。どちらかと言えば、いやなやつだと思っていた。いつも不機嫌で神経質で、皮肉屋だった。
教師の息子で、その父親と仲が悪かったそうだ。十七歳で、結核をわずらい、死んだそうだが、それをいつ、誰から聞いたのかは思い出せない。
いつも不機嫌だったのは、そのころからすでに病気が進行していたからだろうか。
もう一人は、名前すら思い出せない。こちらは高校1年のときのクラスメートだ。隣町の出身なので、小中学校は別だ。
元気が良くて、活発で、本なんか一行も読みたくない、というような感じの、少年だったが、2年になって、成績別クラス分けが始まり、受験勉強がすべて、という雰囲気になると、だんだん元気がなくなり、萎縮し、私の視界から消えていった。普通の少年が普通のまま、萎縮せず生きていけないとは、切ないと思う。
放課後、ひとりいじましく残って、難しい文芸評論を読むような早熟な少年もいたが、どうもそういう子はあまり好きではなかった。
2009年9月6日日曜日
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